OpenSeaでNFTを買うには「仮想通貨(暗号資産)」が必要であり、通常は下記のイーサ(ETH)を使用してNFTを購入します。
しかし中には、価格が「WETH(ダブリューイーサ)」で表記されていることもあり、これらの違いに混乱してしまう方もいることでしょう。
そこで今回は、通常のETH(イーサ)とWETH(ダブリューイーサ)の違いについて、初心者でも分かりやすいよう解説したいと思います。
WETH(ダブリューイーサ)とは
WETH(ダブリューイーサ)とは、正式名称がWrapped ETH(ラップド イーサ)と言い、頭文字の「W」を付けて「WETH」と表記されています。
この「Wrapped(ラップド)」には「包まれた」という意味があり、通常のETHを(使い勝手が良いように)加工したものがWETHと覚えて頂ければ問題ありません。
色の違いから、通常のETHを「黒イーサ」、WETHのことを「赤イーサ」と呼んだりもします。
黒イーサと赤イーサの違い
同じイーサリアムでも種類が違う「黒イーサ」と「赤イーサ」ですが、レートに関しては「1ETH=1WETH」となっているため、黒イーサも赤イーサも同じ価値を持っています。
例えば1ETHが「20万円」だったら、1WETH(赤イーサ)も同じ「20万円」です。
では、これらのETH(イーサ)にはどんな違いがあるのでしょうか。
大きな違いとしては「ガス代の安さ」「処理速度の速さ」そして「使用用途」にあります。
ガス代の安さ・処理速度の速さ
ETH(イーサ)は、世界中の人々に利用されている仮想通貨であることから常にブロックチェーン上が混雑しており、ゆえに「ガス代」が高騰したり、「処理速度」が遅くなったりするというデメリットがあります。
※ガス代の説明については、下記の記事をご参考ください。
一方、WETHは、通常のETHのデメリットを補うために作られた仮想通貨であり、ブロックチェーン上の処理を円滑に行なえるというメリットがあります。
そのため、ガス代の高騰を抑えることができ、手数料・処理速度の観点から様々なシーンでこの赤イーサが使用されているのです。
使用用途
では、実際に「赤イーサ」はどういったシーンで使用されているのでしょうか。
「黒イーサ」との違いは下記の通りです。
ETHの種類 | 使用用途 |
黒イーサ(ETH) | NFTを「固定価格販売」で買うときに必要 |
赤イーサ(WETH) | NFTを「オファー」「オークション」で買うときに必要 |
日本を代表するNFTコレクション「CryptoNinja Partners(CNP)」を例に挙げてみましょう。
執筆時点のCNPのフロア価格は「2.3ETH」となっており、下記の作品が「固定価格」で販売されています。
上記のように、「固定価格販売」のNFTを購入するときは通常のETH(黒イーサ)が必要なのですが、この作品に「オファー(価格交渉)」を出すときはWETH(赤イーサ)が必要となるのです。
※オファーについては、下記の記事をご参考ください。
また、オファー以外に「オークション形式」でNFTに入札する際も、WETH(赤イーサ)が必要になります。
そのため、固定価格販売のときは通常の黒イーサ。
オファー・オークションのときは赤イーサと覚えてください。
黒イーサを赤イーサに変える方法
最後に、黒イーサを赤イーサに変える方法をお伝えします。
やり方はいくつかあるのですが、メタマスク内でスワップ(交換)するのが簡単です。
※メタマスクをまだ作っていない方は、下記の記事をご参考ください。
まず、トップページの「スワップ」をタップします。
すると下記の画面が表示されますので、「トークンを選択」で(変換後の)WETHを選んでください。
そしてスワップ(交換)する金額を入力し、「クォートを入手」をタップします。
※上記画像では、赤イーサ(WETH)が「黒色」で表現されておりますが何の問題もありません。
最後に、スワップにかかるガス代(手数料)を確認し、問題が無ければ「スワイプしてスワップ」を実行してください。
以上で、赤イーサへの交換は完了です。
今回のケースの場合、スワップにかかるガス代は0.0007ETHで、おおよそ141円でした。
ガス代はスワップする度にかかってしまいますので、今後WETHを使用する予定がある方は、多めに交換しておくことをおすすめします。
この記事のまとめ | |
❶ 通常のETHを(使い勝手が良いように)加工したものがWETH | |
❷ ETH(黒イーサ)とWETH(赤イーサ)は1:1で、価値は一緒 | |
❸ 「固定価格販売」で購入する際は黒イーサが必要 | |
❹ 「オファー」「オークション」で購入する際は赤イーサが必要 |